北設楽郡御料地の三角測量について

  明治34年に北設楽郡の八御料地について測量が実施された。
測量時の御料地は以下の通りであった。

大沼御料地(富山村) 棚山御料地(三輪村及び南設楽郡海老町)
檜原御料地(上津具村) 惡澤御料地(豊根村) 鴨山御料地(振草村)
大野御料地(田口村) 椎代御料地(三輪村、本郷村、御殿村、振草村)
龜渕御料地(三輪村)

当時の宮内省御料局にとって御料地の境界確定は火急の事であった。
境界測量の基準となる三角測量を実施するにあたって、北設楽郡には陸地測量部が設置した三角点は、二等三角点「小林村」、「宇礼山」、「名号村」の三点のみであったが、これを起点として進切法によって御料局三角點を設置するという方策が採られた。

 測量は明治34年6月1日から8月6日の期間に実施され、御料局の三等三角點(補點を含む)が11点新設された。
全て石標が用いられ、要した費用は259円27銭3厘(1点の平均は23円57銭)であった。
ちなみに明治20年の白米(10kg)が46銭、国鉄普通運賃(大阪−東京間)が3円56銭(明治22年)という貨幣価値の時代である。
 測量にはドイツ製三等経緯儀第7号が使用され、上岡辰五郎技手がこれにあたったといわれる。

北設楽郡御料地三角網図

※使用した地図は現在のものであり、又三角點の位置も未踏査のものについては不正確であります。
ご了解ください。
本稿を書くにあたり、ご指導いただいた上西勝也氏にこの場をお借りして深謝申し上げます。

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